信用や信頼という言葉は大嫌いな単語だ。
人は誰だって醜く意地汚く裏切る存在だからだ。
赤ん坊のようなソレを手にしては突き崩し、無となりまた輪を作る。
まるで悪夢の連鎖だが騙している訳ではないので非難される立場ではないと考えている。
人の疲れ乾いた心に水を与え奪う。
信用が、信頼が、絶望に変わるその時だけ、俺の心に水が与えられるのだから。
最も真剣に物事を順序良くこなし餌になるまで宝石のように扱うのだから疲れない訳がない。
異端である事は分かっているがどういう訳か近づき過ぎると破壊してしまいたくなる。
どこまでもどこまでも。じりじりとじりじりと。一撃で楽にせず彫刻刀で心を切り刻むケースが最も満たされる。
どう崩壊するのか、どう罵声を浴びせてくるのか、泣き崩れるのか、怒り狂うか、それとも死を選ぶのか。
人それぞれ違っていてとても滑稽だ。
負の感情を弄ぶにあたって一つだけ注意しなくてはならないことがある。
入れ込まれすぎない事だ。
喰う側が共倒れしてはならない。
女にせよ男にせよ人間は感情の動物だ。
理性が崩壊した時、俺が殺される場合がある事は常に頭に刻んでいる。
発狂させても自滅するタイプなら全く問題はないが、中には相手を殺して自分も死ぬ選択を取る奴がいる。
最も恐ろしく近づきたくないモノだ。
メンヘラーと呼ばれているらしいがさっさと精神科へ行って感情をコントロールしろと警告したい。
自らが狂っている精神を持っていることを認めたくない連中が、今は多すぎる。
10年前と比べて俺の栄養素を見つけるのが格段に難しくなった。
潜在的に狂っている。俺も、お前たちも。
誰もが狂っているからこそ純粋なモノなどないというのに人はソレを求めてやまない。
希望より絶望を。
苦痛の生より安楽の死を。
パンドラの箱の逸話は有名だろうが希望だけが残されていた理由は人の本質を見極めたからだろう。
決して美談なんかではない。人を馬鹿にした話だ。
無い物に憧れるという気持ちは理解できなくはないが自分自身を理解しようとせず、
ハッピーエンドで終わる様な代用品で必死に目を背けて何になるのだろうか。
さて。
彼女から話を聞いた限りでは男が浮気性らしい。
しかし好きな気持ちと裏切りたくない気持ちがあり、こんな相談をしている自分もまた、浮気ではないかと自己嫌悪しているようだった。
最も楽なタイプだなと瞬時に思った。
自分は悪だと思いながらも正義感に近い感情で何とかしたいがどうも出来ない。
そんな人にはただ黙って聞いてやりイエスマンになれば問題ない。
答えなんてもう出ているのだからソレに導いてやればいい。別れろという形で。
そして恋人以下友達以上のような役割を演じて包み込み、洗脳した。
甘い水と辛い水だったら誰だって甘い水を飲みたがる。
毒入りと気づかずに。人は絶対にありえ無い希望に縋るのが好きだからだ。
長く長く辛抱強く耐えなくてはならないがその後の愉悦を考えれば楽なモノだ。
紆余曲折した事は何度もあったが別れさせる事に成功した。
男というモノは面白い。釣った魚に餌を与えないと言うが、自業自得で逃した魚を
今度は追ってくるモノだから波乱があった。ストーカー行為って訳だ。
後から知った話だが、もう一人ストーカーがいてソイツは暴力沙汰などいろいろな罪で刑務所に入っているとの事だった。
ダブルストーカーを持つ彼女。
俺にとってはとても楽しめそうだなと、その時ワクワクしたのは言うまでもない。
続く。
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